研究支援(COS3)Clinical Observational Study Support System
COS3とは
近年、臨床研究において、様々な事情により論文の撤回に至るなどの科学的に不公正な事例が多発しています。さらには令和2年からは厚生労働省も薬事申請資料として、必ずしもランダム化比較対照試験でなくとも観察研究を含めて受け付ける方向性を示しており、観察研究データの信頼性向上のニーズが一層増してまいりました。
そのような状況を受けて、九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター(MIC)では、良質な臨床観察研究の実施を支援するために、平成28年より「臨床観察研究支援事業(Clinical Observational Study Support System, COS3)」を行っています。COS3では、臨床疫学や統計学や医療情報を専門とする医療情報学講座およびMICの教員が中心となり、臨床観察研究の遂行において重要となる下記1~4の業務について、九州大学病院観察研究支援及びデータ管理業務受託規程に則り、学内外を問わず委託料に基づき業務を受託しています*。
COS3は、臨床研究の科学性・信頼性を回復し、さらに以前よりも向上させることは大学病院がその一翼を担うべき重要な課題と考え、その一環として、令和4年度にPMDAにも相談して、薬事申請レベルの体制や運用、EDCを含めたシステムなどを再整備いたしました。
学内外の研究事業や製薬企業などからの委託を歓迎いたします。
*別途規程により委託料を受けない共同研究として行う場合もあります。
CRIN-Qシステム
運用業務
- 臨床研究データ管理システム (CRIN-Qシステム)を構築し、その運用サービスを提供
- フレキシブルなデータ管理設計、ユーザフレンドリーな入力、薬事申請にも耐えうる**システムの運用・データ管理・コンピュータ化システムバリデーションの実施
**「レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点」について(薬生薬審発0323第2号 薬生機審発0323第2号 令和3年3月23日)
観察研究
コンサルティング業務
- 研究デザインおよび統計解析に関する知識提供(クエスチョンの構造化、変数および統計解析手法の選択、研究計画書)
- データベース構築に関する助言(データ提供・保管方法、関連法令・指針、ネットワーク構築)
- セミナー提供(「観察研究ノススメ」など)
統計解析業務
- データ整形および統計解析の実施
- 図表作成
データベース構築業務
- 九州大学病院の外部のデータ駆動型事業への電子カルテデータ抽出・提供実務支援
なお、COS3では下記の品質方針に則ることにより、受託業務の信頼性を担保しています。
COS3品質方針
- 法令及び規制要求事項を遵守する。
- 品質管理システムを構築・運用し、継続的な評価・改善を行う。
- 体制図に規定された指揮系統のもと、各要員が割り当てられた業務を遂行する。
- 業務手順の教育を受けた要員が、手順に従って業務を遂行し、資料・記録を適切に作成・保管する。
- 業務の進捗管理を規定の時期に実施し、業務実施内容の追跡性を確実にする。
- 要員の教育訓練を継続的に実施し、実施内容について定期的な点検を行う。