研究支援(COS3)Clinical Observational Study Support System

支援内容

1CRIN-Qシステム業務

CRIN-Qシステムについて

CRIN-QシステムはWeb型の臨床研究データ管理システムで、複数の研究プロジェクトで多拠点からインターネットを介して臨床研究データを日常的に収集しています。また、2022年度にCRIN-Qシステムを含む信頼性担保の活動(コンピュータ化システムバリデーション活動)を実施し、品質管理活動を継続しています。(参考:「レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点」について(薬生薬審発0323第2号 薬生機審発0323第2号 令和3年3月23日))

CRIN-Qシステムのネットワーク構成とセキュリティ

CRIN-QシステムはWeb型のシステムでIPSec-VPNを利用しています。多拠点で入力されたデータは九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター内に設置された専用サーバに安全に保管され、さらに専用ネットワークを介して遠隔地に1日1回バックアップをしています。(参考:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版(厚生労働省令和5年5月31日))

CRIN-Qシステムのネットワーク構成とセキュリティ
CRIN-Qシステムの主な機能

自由度の高い画面設計

  • 項目作成や選択肢の設置など、自由度の高い画面設計が可能。
  • 図やイメージの配置も可能で、入力のしやすさや入力ミスの低減も期待。
  • 欠測値、外れ値アラート機能による入力データの品質向上。

データ入出力

  • データ入力:症例単位の入力、一括入力が可能。
  • データ出力:データ一括出力が可能。

フォローアップ率向上の支援機能

  • リマインドメール:予定されたフォローアップ予定日前にメールを自動送信。
  • 登録の督促メール:フォローアップ予定日を超過した症例についてメールを自動送信。

確実な変更履歴の
記録・保存機能

  • 改変、改竄、捏造等は、臨床研究におけるデータの信頼性、証拠性に関わる重要事項です。
  • システムや研究プロジェクトの項目設定に対する登録・変更履歴の保存機能。
  • 症例データの登録・変更履歴の保存機能。

主な機能の説明

CRIN-Qシステムの主な機能
  • 1次回検査予定日を入力すればリマインドメールが自動配信

  • 2数値入力

    2-(1)上限および下限値設定により誤入力を防止 
    [ 例:身長50cm以上、250cm未満 ]

    2-(2)計算機能により自動入力の項目設定が可能 
    [ 例:BMI = 体重kg / (身長m)2 ]

  • 3上位項目の入力結果に従い、入力が必要な下位項目を表示
    [ 例:喫煙歴有の場合のみ喫煙量と年数を入力 ]

2コンサルティング業務

明確なクエスチョンに対して、データ選択および解析手法の妥当性を担保し、正しく結果を解釈し公表する。そのような質の高い臨床観察研究の個々のプロセスにおける助言や知識の提供を行います。初回相談時点に研究利用予定のデータソースに制限はなく、前向き・後ろ向きいずれのデータ収集デザインにも対応します。デザインから始まるすべてのプロセスにおいて前の段階の完成度が重要であることから、研究企画早期からのご相談をお勧めしています。
また、臨床観察研究を遂行するために有用な知識の伝達を目標として、各種セミナー等を実施しています。

研究デザイン
  • クエスチョンの「見える化」;データ選択・解析を可能とする為に、研究目的を簡潔に説明可能な構造・文言であるPECO(Patients Exposure Comparison Outcome)やRQ(リサーチクエスチョン)に落とし込む助言を行います。
  • データソース・データの選択;RQの解明のために最適なデータソースの提案を行います。また、PECOの周辺にある背景要因を考慮した取得データの選択、想定されるデータの形と解析に適した整形について助言を行います。
  • 統計解析手法の選択;PECOと背景要因および取得可能なデータを考慮した統計解析手法に関する助言を行います。
  • 上記を加味した研究計画書作成の支援を行います。
  • CRIN-Qシステム利用ご依頼の際に、ご希望に応じて上記の研究デザイン支援も別途契約にて行います。
データベース構築

大規模な多施設共同研究等におけるデータベースのなかでも、電子カルテデータなど既存かつ一定の様式を有するデータを用いる場合について、データベースが適切に構築される為の助言を行います。

  • データ提供や保管の方法;データの形や内容に応じて、指針等に準拠可能な授受および保管の方法について助言を行います。
  • ネットワーク構築に関して、関連法令・指針を踏まえた助言を行います。
  • その他、データベース周辺の最新の関連法令・指針に関するご質問等に対応します。
セミナー提供

臨床研究のデザイン、統計解析、およびその基盤となるデータベースに関連したトピックについて、知見の提供を行っています。

  • 観察研究ノススメ;年に2回程度、webおよび現地開催。招請講師による最新の話題を提供します。
  • HIS駆動型研究習得プログラム;電子カルテ情報を活用して臨床研究プロセスを習得する実践型プロジェクト。

3統計解析業務

とくにリアルワールドデータ研究を行う場合、解析に必要な情報を利用可能な形に整えるためのプログラミング技術が必要となる場合があります。また、昨今では臨床疫学研究の統計解析手法が高度化し、GUI型の統計解析ソフトでは対応不能の場合、統計解析プログラミングを必要とします。デザインに応じてこのようなデータ整形および統計解析のプログラム作成・実施を行い、データセットや解析結果や図表の提供を行います。データ整形および統計解析については研究主体である依頼者がその内容を理解し、ご自身で論文等に方法やdiscussionを記載できることが大前提となります。そのような観点で、研究者ご自身が実施可能な解析手法を採用されることをお勧めしています。また、研究デザインによってはご依頼いただいた内容通りの解析等が実施困難な場合もあります。まずはご希望の詳細をご相談ください。

4データベース構築業務

各種臨床系学会等が主導する多施設共同研究疾患データベースに対して、対象症例の情報を効率的に提供するための電子カルテデータ抽出実務を受託しています。求められるデータの形・内容に応じて個別の対応を行っています。まずはご希望の詳細をご相談ください。